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第24回 外断熱で、家は果たして涼しくなるか?(2/2)


外断熱も理想の工法ではない?

 外断熱工法にも色々ありますが、一般的に外壁だけでなく屋根材の内側や基礎部分にまで断熱材を張るのが普通です。当然手間もかかりますし、断熱材の使用量も多くなるため、コスト的に割高になるのはやむを得ないとしても、素人考えでも優れていると思われる外断熱の普及度が低いのは不思議なところです。
 なぜ優れているはずの外断熱の家があまり普及しないのでしょう。ただ価格が高いというだけが理由ではなさそうです。

 専門家の中には、外断熱にも致命的な欠陥があるという人もいます。外断熱で用いられる板状の断熱材の厚さが10mmほどしかないため、断熱性能が十分ではないうえに、防音効果も期待できないということです。さらに決定的なことは、外断熱の場合は気密性が高いために、24時間強制換気しておかないと、やはり結露が生じる可能性があるとのことでした。湿度調整の機能がないため、室内に過剰な湿気がこもった時や、換気が不十分な時には結露が生じることがあるようです。これを防ぐために24時間換気設備を運転しなければならないとなると、果たして省エネ住宅といえるがどうかも疑問が出てきます。

古新聞が優れた断熱材になる?

 外断熱か、内断熱かという議論の合間に、新しい断熱工法が登場してきました。形式的には内断熱に近いのですが、断熱材として古新聞などの古紙を細かに断裁し(セルロースファイバーと言います)、撹拌して綿のような状態にした上で外壁と内壁の空間に圧搾空気で送り込む工法です。もともと紙の原料は木材ですから、ほぼ天然素材といっていいものだと思います。化学物質などを一切使用していない安全な断熱材であることも注目されます。

 綿状のセルロースファイバーはたっぷり空気を抱き込んでおり、圧搾空気で充填されるため隙間ができません。厚みも十分だから断熱性は申し分がないうえに防音効果も高く、さらにこの素材の大きな特徴として湿度調整機能も持っています。屋内の湿度が高いときはセルロースファイバーが湿気を吸収し、乾燥する季節には吸収していた水分を吐き出して部屋の中を加湿します。これはグラスファイバーやウレタンフォームには期待できない性能といえます。

 まだ日本ではあまり知られていませんが、アメリカでは断熱材シェアの35%を占めているといわれ、最も多く用いられている素材です。おそらくわが国でも、今後かなり普及しそうな断熱法です。
 まだ国内では新築住宅での施工例が多いようですが、壁工事を伴うようなリフォーム工事であれば、十分応用できそうにも思えます。

家の品質、性能に厳しい目を持とう

 いずれにしても、これからの家は「夏は涼しく、冬は温かく」そしてさらに「安全」であることが求められます。また地球温暖化などの問題を考えれば、省エネ、省資源への配慮も必要でしょう。これだけ科学技術が発達した日本で、これは決して実現不可能ではないはずです。
 建設業界としてもさらなる研究努力していくことはもちろんですが、消費者の方々も「家とはかくあるべきだ」というしっかりした考えを確立していただくことが大切です。
 消費者の方々の目が厳しくなれば、自然に品質も高くなっていくというのは市場の原則です。家の品質や性能を高めるためには、ひとりひとりの厳しい目が非常に重要となってきます。


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