西東京市中町の主婦、清水恵満子さん(60)宅の耐震補強は、特に大事と言われる「壁の補強」に入り、玄関を入った正面にある壁の工事が始まった。ポイントは、耐震診断結果から導き出した補強の必要な個所に、適当な強度の壁を使うことだ。壁の耐力を向上させるため、「耐震ボード」などを使って補強することになった。
その際、壁だけが強くなると、強い揺れが来た時、柱が土台から引き抜かれる「ほぞ抜け」が起こりやすくなる。阪神大震災の際には比較的新しい家屋が倒壊する大きな原因となった。それを防止するため、補強金物で柱と土台、梁(はり)を強く固定する作業を行う。その後、耐震ボードを取り付ける。ドリルを使って専用ビスで10センチ間隔で留め、クロスを張って施工は完了。作業のコツはビスの留め具合で、担当した大工は「しっかり締め過ぎると振動で壁が割れやすくなり、かえって耐震性が低くなってしまう」と話した。熟練した技術が欠かせない。
また、2階南西の洋室が増築されているため、隣接する北側の部屋との接点部分が窓となっており、清水さんはそこの耐震性の低さに不安を感じていた。これを改善するため、接点部分に柱を設けたうえ、耐力を向上させる構造用合板を3カ所に取り付けた。壁の補強は計8カ所に上った。さらに、玄関わきなどの基礎計4カ所に大きなひび割れがあり、樹脂を注入して補修した。
2週間後の5月22日、工事は無事完了。果たして、耐震基準を満たす強度(1・0以上)に引き上げられたのか。補強後の診断結果は総合点1・09で、工事前の0・18から大きく改善した。「大地震で一応倒壊しない」とされる「1・0以上1・5未満」の範囲に入ったと判定され、目標通りの補強に成功した。
清水さんは「家の雰囲気が大きく変わってしまうと思ったが、極力、変えずに内部に壁を設けるなどの補強で対応してくれた」と満足した様子。そして、胸をなでおろした。「最近も地震が多い。これまでの不安が、やっと解消されました」