木耐協/日本木造住宅耐震補強事業者協同組合 電話での耐震診断申込は0120-224-293


家族団らんの大切な場所が抱えていた弱点とは(1/2)

山梨県甲斐市


 甲斐市は、富士川の上流である釜無川の東側に位置する人口7万人余りの美しい町です。町の中央を斜めに縦断する国道20号線、中央自動車道をさらに北西に進めば、韮崎、小渕沢を経て長野に至ります。南北から山に挟まれた釜無川沿いの道は、昔から甲斐の国と信濃の国を結ぶ唯一といっていい大動脈でした。甲斐市はその街道沿いに開けた町です。

 今回の診断依頼者様が現在の場所に自宅を新築されたのは昭和54年のことでした。当時、山梨の地場産業である宝石会社に勤務していた依頼者様が、共働きだった奥様の協力で建てたものです。

 敷地面積は130坪もあり、この土地は材木会社が長い間貯木場兼駐車場として使ってきた場所で、地盤がしっかりしているだろうと考えたことと、氏神さまの神域に隣接していることも気に入った点だったそうです。古い神社などは、周辺で一番いい場所を選んで建てられているだろうと考えられたからです。

自慢のタネのはずが弱点だった

 家を建てられた当時まだ若かった依頼者様は、資金面での制約はあったものの、初めて建てるマイホームにできる限りの理想を盛り込むことにしました。何枚もの彩色デッサンを自分で描き、それを大工さんに見てもらって、ほぼそれに近い形の家ができあがりました。
 最初から依頼者様がこだわっていた第一の点は「家族の団らんの場所を作る」ことでした。建物東側の居間、食堂、台所には間仕切りを全く作っていません。これが依頼者様邸の最大の特徴であり、依頼者様の自慢のタネでもありました。
 この部分の広さは22畳もありますから、快適な空間であることは間違いありません。すでに大きくなられた二人のお子様も、この広々とした部屋が大好きだということです。とはいえ普通の木構造では、かなり無理があることは否定できません。

再三の増改築で知識を蓄積

 家を建てられて10年後、依頼者様は自宅の一部にオフィスを設けることになったため、かなり大規模な増改築を行いました。家の南西隅事務室を作ったほか、居間の部分も拡張しています。

 また実際に住んでみて出てきた色々な不具合に対しても、依頼者様は再三にわたって部分的なリフォームを行い、この家を少しでもいい家にしようとされていました。Kさんによれば、新しい家が1軒できるくらいのお金をかけてきたそうです。

ひょっとすると危ない家かも…

 そうした過程を通じて、依頼者様にも徐々に家に関するさまざまなことがわかってきました。とくに阪神淡路大震災のあとは地震防災関連の情報が増えたこともあり、「もしかすると、この家は危ないのではないか」という不安が生まれてきたということです。

 甲斐市は糸魚川から富士川河口に至る我が国最大級の活断層の上に位置しており、将来に発生することが考えられる東海地震の時は、最大震度7以上と予測されている地域です。このほか少し小さいものの釜無川断層の存在も確認されており、直下型地震の可能性も否定できません。そうした地震への漠然とした不安は以前からありましたが、家の構造そのものにも弱点があるのではないかと依頼者様は考えられていました。

 今回木耐協の耐震診断を受けることにしたのも、家の強度に対する不安感が根底にあったからでしょう。


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