今回は、名古屋市中区にあるお宅をお訪ねしました。
今回の診断依頼者様は病院経営をされていらっしゃった方で、現在は息子様に経営を任され、悠々自適の生活を送っていらっしゃいます。かなりのご高齢でいらっしゃいますが、若い頃によく歩かれたとおっしゃる通り、奥様とともにきわめて健康でいらっしゃいます。
住みなれた家で暮らすのが一番
依頼者様邸は病院から歩いて2、3分の位置にあり、同一敷地内に2棟の住まいがあります。鉄筋コンクリート2階建ての家には息子様のご家族が、木造2階建ての家には依頼者様ご夫妻が住んでいます。今回の現場は、この木造住宅の方です。
この家が建てられたのは病院を開設して数年後の昭和32年のことでした。最初は平屋でしたが、昭和38年には2階を増築、50年には浴室を、58年にはキッチンやトイレをそれぞれ改装しています。おそらくこの間には建て替えなども考えられたはずですが、この家は依頼者様にとっては住み慣れた暮らしやすい家ということです。
しかしいかに住み慣れているとはいえ、すでに建築後かなりの年月が経っており、しかも高齢者の方が暮らしている家です。できるだけ安全なものにしておきたいという思いが、息子様にはありました。
名古屋市は、近い将来に予測されている東海・東南海地震の防災対策推進地域に指定されています。当然、病院のような公共性が高い施設においてはしかるべき対策を講じておくことが義務づけられているため、息子様は以前から地震防災に対しては強い関心を抱かれていました。また息子様ご自身も昭和19年の東南海地震を体験しているので、大地震の恐さは身にしみており、ご両親の暮らす家の安全性にはいささか不安があったそうです。
市民講座を受講して補強を決意
ところで、今回の依頼者様は以前にも診断を受けられたことがありました。その時点で耐震性に不安があることは確認できていたのですが、当時は補強すべきかどうか決めかねていました。まだその段階では木耐協という組織を十分に理解していませんでしたし、補強をするにしても他の方法があるかもしれないと考えられていたからです。
しかし名古屋市内で開催された木耐協主催の地震防災市民講座された依頼者様は、講演を聞いて木耐協が真剣に耐震補強に取り組んでいることがわかり、さっそく補強工事を申し込むことにされました。